2004年10月15日金曜日

凋落

10月14日の日経新聞一面は象徴的な見出しが躍っていました。ひとつは『ダイエー機構に支援要請』であり、もうひとつは『堤義明氏 全役職を辞任』です。かつての日本を代表していた企業の凋落を見るのは、複雑な気持ちがあります。この2社を親会社とする野球チームが、どう考えても納得のいかないパ・リーグのプレイ・オフを戦ったということも、ある意味で象徴的であったのかと、あとで振り返ったときには思い出されるかもしれません。




10月15日の日経新聞の春秋では


ある種の伝説化した尊大さを、経営者のカリスマ性の源泉にする時代はとっくに終わっている。法律は守る。借金は返す。情報は公開していねいに説明する。こんな当たり前のことが、問われている。


と書いています。カリスマ経営者の時代が本当に終わったのかは分かりません。ただ、ひとつの時代がどうやら世代交代という形で動きつつあることだけは実感できます。世間をにぎわせている楽天とライブドアは、その表れであるかもしれません。


同日の日経スポーツ欄には、ライブドアと楽天のプロ野球新規参入に対する第二回目のヒアリング結果が報じられています。西武もダイエーも(かつての日ハムを含めても)企業として破綻しているというのに、既得権益側については言及せず、新規参入企業を評価する理不尽さ。あるいは、迷走するダイエーに対する再建計画を、(大口融資をしているとはいえ)UFJ銀行が指導するという不可解さ。


ねじれまくった産業界の構図の中に、外資の足音だけがひたひたと聞こえ、このごろやたらと市民権を得始めた「富裕層」という言葉が、うつろに響いてくるのは考えすぎでしょうか。

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