- La Candace RV 704
- La Silvia RV 734
- La vertia in cimento RV 739
- Tito Manlio RV 738
- Tieteberga RV737
- Medea e Giasone RV 749.13
- 'Zeffiretti che sussurrate' RV 749.21
- Sandrine Piau(S)、Ann Hallengerg(Ms)、Paul Agnew(T)、Guillemette Laurens(Ms)
- Mode Antiquo, Federico Maria Sardelli
- naive OP30411
本アルバムは、その中からソプラノ5曲、メゾソプラノ5曲、テノール4曲、四重唱1曲、二重唱1曲の全16曲が選ばれています。ソプラノはバロック界を代表するSandrine Piau、テノールはPaul Agnewです。それぞれのアリアは6つのオペラからのもので、RV749.13のみ元オペラを特定できていません。
その中ではPiauが唄う、'Zeffiretti che sussurrate'RV749.13'が何といってもこのアルバムで特筆モノでしょうか。「四季」を思わせるヴァイオリンの旋律に導かれて、何とも匂い立つような歌声で唄われます。ソプラノに呼応するエコー(aria co eco)、Vieni, vieni o mio diletto (Come, come, my beloved)
で始まる中盤の力強い歌声への変化、そして再び冒頭の響きの再現。たった5分の曲の中に、これほどの技巧と美しさを湛えていようとは。何度聴いていても飽きないラストの超高音の凄さ。
Piauといえば、アルバム冒頭に納められた《LA CANDACE 第1幕》からのアリア'Certo timor ch'ho in petto'も素晴らしいの一語。Piau節全開といいますか、力強く美しく、そしてキモチの良いほどの抜けです。イタリアの乾いた空、ベタついたところなど微塵もない。
同じオペラからの'Usignoli che piangete'は、鳥(ナイチンゲール)を模した極めてアクロバティックな曲。鳥といえば'Quell augellin che canta'も鳥が歌う声を模してアリアを歌わせています。
アルバムでPiauのソロは全部で5曲あります。'Mio cors'io ti credessi'は一転して短調のアリア。《LA SILVIA》の中から冷たく嫉妬深いNerinaが、恋人Nisoに対する秘められた怨みをみたいなものを、弦の短調なユニゾンに乗って切々と唄います。技巧的なアリアとは全く趣が違う、オペラの筋は分からないけど、こんな女性に恨まれたらコワイなと。ヴィヴァルディの音楽の作り方は、確かにうまいですね。
メゾ・ソプラノの曲も随分と聴かせてくれます。Ann Hallengergの唄うL'innocenza sfortunata'など、始まったら思わずにウキウキとして一緒になってリズムを刻んで鼻歌まで歌ってしまうほどです。オペラ《TIETEBERGA》の筋など全く知りませんが、不幸な女王を救って裏切り者を懲らしめろと唄っています。ソレ、ソレ、パシィ~ッ!!です。
イマひとつ弱いかなと思ったテノールのPaul Agnewにしても、何度も繰り返し聴いていると、これはこれで柔らかくて良いではないかと思えてきます。重唱も勿論のこと良いです。最後の曲'lo son fra l'onde d'irato mare'はメゾソプラノとソプラニーノの二重唱といったところ。輝かしい音色で締めくくってくれるのも嬉しい(技術的には、難しいんだろうなあ・・・リコーダーだもの)。
買った当初は、オペラ・アリア集というオムニバス的な作りから、軽く聴きながしてオシマイにしていたのですが、それではとても勿体無いことに気付いたわけです。しかし、こんな具合に1曲ずつ書いていたらキリがありません。とにかくに、ビックリし、うっとりし、惚れ惚れし、スッキリし、ワクワクします。ヴィヴァルディ恐るべし、であります。
敬意をもって、TakuyaさんのエントリにTBしておきます。生Piau聴いてみたいなあ(^^)
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