○ ソノリテの練習
時間を計っていたわけではないが、ソノリテだけで1時間以上かかっている。いかに「響き」「音色」を重視しているレッスンかということが分かっていただけると思う。
ソノリテを持っていらっしゃる方ならば分かると思うが、やっているのは中音から下がる1、2、3番、それと高音の1、2、3番である。メトロノームを四分音符60にセットして、ひたすら、ひたすら響きに注意しながら吹く。以下に欠点を箇条書きにしておく。前回指摘されたことが一向に直っていないことに気付く。
- 何度も注意されるのは楽器の角度、顔の縦の線とフルートが直角になるように(唇とフルートがスクエアになるように)と、それこそ吹くたびに注意される。クセになっているので、他のことに集中すると直ぐに忘れてしまう。
- 出だしのH2の音を、最初からポーンと明るい響きで出すこと。恐る恐る出したり、吹きながら膨らませることのないように。これが意外と難しい。「今日のような天気でなく、明るく抜けた空をイメージして」
- 息の幅を広げすぎないで、焦点を絞って響かせる。
- (2番、3番と練習するに従って)音の間が広がってきても、響きが変わらないように。Dsを明るめに、Cisを暗めにいつも注意する。
- 低音に向かうに従って、大きなディミヌエンドを感じて消え入るように終わる。
- 例えば2番のBから下がる音形などは、旋律は違うがドビュッシーのシリンクスを吹くように。
- いつでも曲を吹いているつもりで滑らかに、レガートに。
- ゆっくり吹いていても指の動きは速い、音の移り変わりを曖昧にしない。指をばたつかせるとアクセントになるので注意。
- 高音域でも口を締めすぎないように、舌もリラックスさせる。
- 低音でももっと息を使う。フォルテで充分に響かせるように。
- それには息を下のほうに溜めるイメージで、おなかの上の方ではなく、もっと下のほう。例えばデボストは(だったよな)息を「膝まで溜める」ようにイメージすると言っている。
- 緊張を上にとる場合と下に持ってきた場合では響きが全然違う(実際に吹いてみる)
- 息が足りなくなったのならば、無理をしないでブレスしもいい。とにかく、充分に響かせることに注意する。
- アンブシュアが広くなり過ぎないように、そして喉が締まってしまわないように。
- いい楽器を使っているのだから、息をもっと使って。
- まずはシングルタンギング「ディ・ディ・・・」とやって、舌の位置を覚える。
- ゆっくりのテンポのまま、ダブルタンギングをする。その場合「ディ・ギ・ディ・ギ・・・」と」逆の「ギ・ディ・ギ・ディ・・・」の両方をやる。舌の位置をしっかりと覚えこませる。
- 一つ一つの音は短くしないで充分にテンポ内で伸ばす。シングルタンギングでもできるスピードなので、音を短くしては意味がない。テンポが速くなれば自然と音は短くなる。
- むかしは「Tu・Ku・Tu・Ku」などと教えていたが、「ディ・ギ」の方が舌つきのイメージが柔らかいようである。
- 「Ku・Ku・・・」だけを練習することを薦めている人もいるが、ジェフリー・ギルバートは否定的である、私も同様にそれは薦めない。
以上が今日のレッスンの全容であるが。「響き」と「音のイメージ」の重要性は何度繰り返しても言い足りないほど強調されている。「音をイメージする」ということは、ちっとも具体的でないと感じる方もいるだろう。「明るく」「暗く」ということに対する技術的なサジェスチョンは少ないからだ。しかし、やってみると分かるが「イメージする」だけで音が劇的に変わることがある。考えてみれば音楽というのは感性の産物だ、機械的に音符を並べるだけで音楽が出来上がるわけではない。イメージの重要性については決して過小に考えてはならないと思う。
最後に先生いわく「ゆきひろさん、曲とかやりたいのあったらやっていいですよ」 うげげのげ! 曲を吹くために基礎練習初めて半年、上達しているのかどうなのか全く自分では分からないのだが、曲ねえ・・・この練習に更に曲を加えるというのは至難の技なのであった!>何のために笛吹いてんだよ(^^;;;
今思ったのだが「曲」とは練習曲のことかな、それとも楽曲かな? バッハの100年くらい早そうだし、かといってモーツアルトも難しいし、テレマンなんてとてもとても・・・、実は伊藤康英の「古典組曲」なんてカッコいいなと思うけど、変拍子と臨時記号の嵐のような曲だし・・・、基礎体力を付ける練習方法は教わったが、肝心の基礎体力はまだまだだと思うのであった。
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