機会を得て、フライブルク・バロック・オーケストラ(FBO)の来日公演に行ってきました。
FBOは1987年発足の古楽オケで、今年で創立30周年を迎えます。FBOは2012年に日本初演を果たし、トッパンホールは2016年10月(2公演の感想はこちら)以来2度目になります。
今回はソリストとしてキャロリン・サンプソン氏を迎えて、J.S.バッハのカンタータが2曲演奏されました。
FBOは1987年発足の古楽オケで、今年で創立30周年を迎えます。FBOは2012年に日本初演を果たし、トッパンホールは2016年10月(2公演の感想はこちら)以来2度目になります。
今回はソリストとしてキャロリン・サンプソン氏を迎えて、J.S.バッハのカンタータが2曲演奏されました。
J.B.バッハ: 管弦楽組曲 第2番 ト長調
J.S.バッハ: カンタータ 「わが心は血にまみれ」 BWV199
J.S.バッハ: オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1060a
J.S.バッハ: 結婚カンタータ「いまぞ去れ、悲しみの影よ」 BWV202
キャロリン・サンプソン(ソプラノ) Carolyn Sampson, Soprano
フライブルク・バロック・オーケストラ FREIBURGER BAROCKORCHESTER
アンネ・カタリーナ・シュライバー(ディレクター、ヴァイオリン) Anne Katharina Schreiber, Direction and Violin
カタリーナ・アルフケン(オーボエ) Kahtarina Arfken, oboe
トッパンホール
J.S.バッハ: カンタータ 「わが心は血にまみれ」 BWV199
J.S.バッハ: オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1060a
J.S.バッハ: 結婚カンタータ「いまぞ去れ、悲しみの影よ」 BWV202
キャロリン・サンプソン(ソプラノ) Carolyn Sampson, Soprano
フライブルク・バロック・オーケストラ FREIBURGER BAROCKORCHESTER
アンネ・カタリーナ・シュライバー(ディレクター、ヴァイオリン) Anne Katharina Schreiber, Direction and Violin
カタリーナ・アルフケン(オーボエ) Kahtarina Arfken, oboe
トッパンホール
最初に演奏されたのは、J.S.バッハのはとこに当たるJohann Bernhard Bach (1676-1749)による管弦楽組曲第2番。ろくにプログラムも見ないで会場に臨んだので、すっかりJ.S.バッハの組曲2番とばかり思っておりましたから、聴きはじめても全然聴き覚えのない曲で、あれま?と思ったのは最初だけ。
前回の音楽監督のミュレヤンスとゴルツの二人から替わって、今回はアンネ・カタリーナ・シュライバーさんがコンサートミストレスを務めます。彼女の軽い合図とともに始まる、キレの良い冒頭のアインザッツから、絶妙のアンサンブルが展開され、このト長調の曲の持つ明るさと楽しさ、舞曲的な躍動感、そして優雅さが十分に発揮された演奏でした。FBOの編成はそれほど大がかりではないものの、それぞれの演奏者の音が絶妙に混じりあいながら深みのある音は前回と同様、大いに楽しませてもらいました。
冒頭の曲以外は、J.S.バッハのもの。休憩をはさんでのオーボエとヴァイオリンのための協奏曲も素晴らしい。ヒストリカル・オーボエを奏でるのはカタリーナ・アルフケンさん。バイオリンとのアンサンブル、掛け合いも聴きごたえがあります。
このヒストリカル・オーボエ、2曲目のカンタータ、4曲目の結婚カンタータでも大活躍します。ちょっととぼけた音色ながらも、バロック・トランペットのような祝祭的な音色も持っており華やかさもある。短調に歌うと敬虔な祈りのような、朗々とも歌うことができ、多彩な音色。
カンタータはソプラノのキャロリン・サンプソンさんの歌声が美しく見事。朗々たる声量がホールを満たします。FBOは先鋭的なバロックオケではなく、柔らかさと適度の強さを兼ね備えた響き。今日の選曲のせいでしょうか、明く祝福的なものですから音楽が軽快で浮き立つよう。それでいて、あからさまに刺激的ではなく、しっとりとも聴かせるといった感じ。
このくらいの編成ですと、家族的といいましょうか、オケのメンバーが互いに、そしてソリストを尊敬しながら演奏してるのが分かる。結婚カンタータを独唱するサンプソンさんを、演奏の手を休めて見つめるシュライバーさんの姿が、演奏姿勢そのものを表しているかのようでした。
アンコールに、サンプソンさんが日本語で「もう一曲」と言って、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の「からたちの花」を歌ったのは、意表を突かれました。これまた慈しみに溢れた、信じられないほどに素晴らしい演奏で、言葉もありません。
良いものを聴かせてもらいました、というのが素直な感想。
前回の音楽監督のミュレヤンスとゴルツの二人から替わって、今回はアンネ・カタリーナ・シュライバーさんがコンサートミストレスを務めます。彼女の軽い合図とともに始まる、キレの良い冒頭のアインザッツから、絶妙のアンサンブルが展開され、このト長調の曲の持つ明るさと楽しさ、舞曲的な躍動感、そして優雅さが十分に発揮された演奏でした。FBOの編成はそれほど大がかりではないものの、それぞれの演奏者の音が絶妙に混じりあいながら深みのある音は前回と同様、大いに楽しませてもらいました。
冒頭の曲以外は、J.S.バッハのもの。休憩をはさんでのオーボエとヴァイオリンのための協奏曲も素晴らしい。ヒストリカル・オーボエを奏でるのはカタリーナ・アルフケンさん。バイオリンとのアンサンブル、掛け合いも聴きごたえがあります。
このヒストリカル・オーボエ、2曲目のカンタータ、4曲目の結婚カンタータでも大活躍します。ちょっととぼけた音色ながらも、バロック・トランペットのような祝祭的な音色も持っており華やかさもある。短調に歌うと敬虔な祈りのような、朗々とも歌うことができ、多彩な音色。
カンタータはソプラノのキャロリン・サンプソンさんの歌声が美しく見事。朗々たる声量がホールを満たします。FBOは先鋭的なバロックオケではなく、柔らかさと適度の強さを兼ね備えた響き。今日の選曲のせいでしょうか、明く祝福的なものですから音楽が軽快で浮き立つよう。それでいて、あからさまに刺激的ではなく、しっとりとも聴かせるといった感じ。
このくらいの編成ですと、家族的といいましょうか、オケのメンバーが互いに、そしてソリストを尊敬しながら演奏してるのが分かる。結婚カンタータを独唱するサンプソンさんを、演奏の手を休めて見つめるシュライバーさんの姿が、演奏姿勢そのものを表しているかのようでした。
アンコールに、サンプソンさんが日本語で「もう一曲」と言って、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の「からたちの花」を歌ったのは、意表を突かれました。これまた慈しみに溢れた、信じられないほどに素晴らしい演奏で、言葉もありません。
良いものを聴かせてもらいました、というのが素直な感想。