NHK交響楽団 第1328回 定期公演
日時:1997年9月5日
場所:NHKホール
曲目:オールチャイコフスキー プログラム
スラブ行進曲
ピアノ協奏曲 第1番
交響曲 第5番
指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ
ピアノ:中村 紘子
演奏:NHK交響楽団
スヴェトラーノフ・N響のコンビによる5番を、かなり以前だが聴いたことがある。Nifty クラコンか何かに書いたログを、当日の雰囲気を伝える意味で全文掲載しておきたい。
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上京する機会があり、N響定期公演に行ってきました。N響は、初体験です。FCLAの皆さんは、N響に対する評価が非常に厳しいのですが、私には新鮮にして驚きの演奏会でした。プログラムはオールチャイコフスキー。席は1階L03列09番(舞台の左側)です。演奏は休憩をはさんで2時間20分。定期としては長い演奏会だったと思います。
まず、NHKホール自体が始めてだったのですが、その大きさに圧倒されました。4000人近く入るホールというのは、ちょっと大きすぎると思っていましたが、それが満席状態。札幌とは客層が違いますね。中村さんのファンなのか、女性が目に付きました。
スヴェトラーノフは、指揮棒を持たないタイプ。おなかがとても大きいです。
まず、スラブ行進曲。非常にゆったりしたテンポで始まりましたが、けれん味がなく素直に聴ける演奏でした。それほど大きく揺らすわけでもないのですが、ラストに向かって、心地よいリズムとなり、納得のできるものでした。
さて、次は中村紘子のコンチェルトです。これについては、ちょっとコメントを差し控えたいです。ただ一つ言えることは、私の好みではなかったこと。スヴェトラーノフとN響が表現している音楽と、中村さんが表現しているものが異質であったと感じられました。オケの弦の響き、木管のやさしさや、かなしい響きが、彼女にはどう伝わっていたのでしょう?でも帰り際に、「ピアノ凄かったねえ」と言い合っている女性も何人かいましたので、繰り返しますが私の好みであると断っておきます。
チャイ5は、非常に好きな曲にランクされますが、期待を裏切らない演奏でした。細やかなアナリーゼはできませんが、1楽章、スラブ行進曲のときのような遅めの店舗で始まります。でも、その遅さが聞き進むにつれて、納得の出来るもので違和感なく心に入ってくるのです。弦の響きも木管や管の鳴らし方も、やりすぎのような嫌らしさが全くなく、非常に素直な表現と相まって、曲が浮き彫りにされてくるような印象です。
��楽章のホルンは素晴らしいの一言。今まで私の心象に現れる風景と、違った風景を見せてくれました。4楽章は、この楽章の持ち味の疾走感がうまく伝わってきました。盛り上げ方も自然で、思わず「これはいい」と拍手をしながらつぶやいてしまいました。
私は、札幌で札響を中心にオケの演奏会を最近聴き始めましたが、N響は素晴らしいですね。特に金管の音色、チェロ、コントラバスの低弦の支えなど素晴らしいと感じました。
(1997.9.6)
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ずいぶん昔の感想を引っ張り出してきたが、今読み返してもあのときの感動がよみがえる。
この演奏は、「やる気のない」とか「ヘロヘロの金管」とか、一部の心無いマニアの間で酷評されていたN響が久々に素晴らしい演奏をした、との感想が多かったようだ。(しかし、ファンなのか何なのか分かりませんが、聴衆というのは勝手で残酷なものだ。)
��楽章と2楽章の合間に、スベトラーノフが客席に向かって、「この第2楽章(アンダンテ)をプリンセス・ダイアナに捧げます」て言ったらしい。終演後、ホルンの松崎さんも指揮台に上がるように言われるなど、熱演だったのだと思う。何だか、思い出して書いていると、ずいぶん時間がたったんだなあ、としみじみしてしまうなあ・・・。
演奏会の後、フルーティストの小出信也さんと、Nifty のパティオの方と一緒させてもらったのも思い出に残る。あのときの写真はどこに行ってしまったのだろう・・・・
(2001.3.2)
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