- 指揮:レナード・バーンスタイン
- 演奏:ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
- 録音:Jan 12,1971
- Sony SMK63088(輸入版)
このような名曲を知らずに過ごしてきたことを、恥ずかしいとしか今は言えない。たかだか69小節程度のこの曲、弦楽四重奏曲の第二楽章の編曲版らしい。予備知識が全くない状態でこの曲を聴いた。聴きはじめて、そう最初の15小節が過ぎたあたりからだ、涙腺が緩み涙がぼろぼろとこぼれてしまった、それは止めようもない、自分でも制御不能となった感情の高まりであった。
楽譜を見るとフラット5つのb-mol、音階に限りなく近い音符が並んでいるだけである。それが、どうしてこんなにも人の心を揺さぶりを感動させるのであろうか。
人間の持つ神聖さ、敬虔な祈り、悲しみや慈しみなどの、非常に気高くも冒しがたい感情の動きが表出されているのか、いや、言葉はこの音楽の美しさとかなしみの前では無力でしかない。あまりの深く静かな衝撃に呆然とするばかりで、文章を書くことを放棄せざるを得ない。今できることと言えば、深く頭を垂れこの10分弱の体験の中に身をゆだね、全ての許し受け入れることだけだ。私の葬式の場ではこの曲を流してもらおうとさえ思った。恐るべきバーバー、そして、恐るべきバーンスタイン!
曲のもつ雰囲気を、George Santayana がよく言い表していると解説にあるので、そのまま引用しておく。(誰かうまい日本語訳していただけないだろうか・・・)
"Thus divine beauty is evident, fugitive, impalpable, and homeless in a world of material fact; yet it is unmistakably individual and sufficient unto itself, and although perhaps soon eclipses, is never really extinguished: for it visits time and belongs to eternity."
感情の赴くままにキーボードを打つことは自省せねばと思うが、それでもこの衝撃を書かずにはいられなかった。なお楽譜は、フルート編曲版を基にしているので実際とは異なるかもしれない。
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