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2021年5月19日水曜日

Officina Romana: A Wonder Lab at the Dawn of the 18th Century ローマ、バロック揺籃の地


Paolo Zanzuがチェンバロ、フォルテピアノ、オルガンを弾き指揮まで担当している、意欲的なアルバムです。

Le Stagioniはザンズが2017年に立ち上げた若手中止の楽団です。

1700年代のイタリアバロックの作曲家として、今回収録されているのは、ヘンデル(1685-1759) 、コレッリ(1653-1713)、スカルラッティ(1685-1757)に加えて、アントニオ・カルダーラーAntonio Caldara(1670-1736)、カルロ・フランチェスコ・チェザリーニCarlo Francesco Cesarini(1665-1741)、フランチェスコ・ハイムNicola Francesco Haym(1678-1729)など

Carlo Vistoli(1987-)は、カウンターテナー。スペイン出身の今年34歳の若手歌手。2012年にチェスティバロック声楽コンクールで1位になるなど錚々たる経歴で、2013年にオペラ歌手としてデビューしています。

こういうアルバムなので、あまり馴染みのない曲ばかりですが、聴いてみますとアンサンブルの軽快さと明るさ、そしてカウンターテナーのCarlo Vistoli の歌声が楽しめるアルバムとなっています。

もとはといえば、Paolo Zanzuのチェンバロのアルバムと思って聴き始めたのですけれど、これはこれで聴いてよかったです。


【曲目】

アントニオ・カルダーラ(1670-1736):
1. シンフォニア -《聖女カテリーナの殉教》(1708)より
カルロ・フランチェスコ・チェザリーニ(1666頃-1741):
2. アリア「わたしは何を成すべきか、おお星よ」-《ジューニオ・ブルート、またはタルクィーニの失脚》(1711)より

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):
3. アリア「この男、時が眠っていると思っているのか」-『時と真実の勝利』(1707)より
4. ソナタ -『時と真実の勝利』(1707)より
5. アリア「波に呑まれそうになりながら」-『復活』(1708)より
6. プレリュード 変ロ長調-『クラヴサンのための8つの組曲』第1組曲 HWV 434より

アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713):
7-8. プレリュードとジガ(ジグ)
-ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 作品5-9(1700)より
(リコーダーとチェンバロによる演奏)

アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725):
9. アリア「わたしは留まっていよう、自分の木立に」-『薔薇の庭園』(1707)より

ヘンデル:
10. ソナタ=序曲 -『時と真実の勝利』(1707)より

ニコラ・フランチェスコ・ハイム(1678-1729):
11-14. チェロと通奏低音のためのソナタ イ短調/ホ短調

ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):
15. 鍵盤のためのソナタ ト短調 K 12

ヘンデル:
16-17. アンダンテとアレグロ -トリオ・ソナタ ハ短調 Op.2-1(1733出版)より

アレッサンドロ・スカルラッティ:
18-22. 室内カンタータ『聖なる名をもつ美しき貴婦人』(1706)

【演奏】

  • レ・スタジョーニ(古楽器使用)
  • ソロ:ティアム・グダルジ(リコーダー)
  • ダニエル・ランティエ(オーボエ)
  • タミ・トロマン、リヴ・ヘイム、ロルダン・ベルナベ=カリオン、
  • オーガスタ・マッキー・ロッジ(ヴァイオリン)
  • マルコ・フレッツァート(チェロ)
  • パオロ・ザンズ(チェンバロ、フォルテピアノ、オルガン、指揮)
  • カルロ・ヴィストーリ(カウンターテナー)…2-3、5、9、19-22
  • 調律:1/6コンマ・ミーントーン a'=415Hz

【録音】

  • 2020年7月24-27日
  • レンパール劇場、スミュール=アン=オーソワ(フランス東部ブルゴーニュ地方)


ヘンデルがコレッリと出会い、スカルラッティ父子が活況の時代を鮮やかに再現!

イタリア出身ながら英国とフランスのすぐれた古楽伝統を吸収し、ルセやセラシらの薫陶を受けレザール・フロリサンのアシスタントを務めなるなどじっくりキャリアを築いてきた、ミレニアル世代の才人パオロ・ザンズ。2017年に立ち上げたレ・スタジョーニには、同じイタリア出身のバロック・チェロ奏者マルコ・フレッツァートをはじめ、欧州古楽界より選りすぐりの気鋭奏者たちが揃います。そんな彼らがイタリアに本拠を置くArcanaレーベルから世に問う初アルバムのテーマは、巨匠コレッリが若きヘンデルと共演し、スカルラッティ父子がともに現役で音楽通たちを瞠目させていた1700年代初頭のローマ! 17世紀以来、建築・美術・文芸・音楽とさまざまな芸術分野に深い愛を注いだ聖職者や貴族が多かったこの「永遠の都」で、いかにバロック後期の活況の萌芽が見られたかを伝えてくれます。名カウンターテナー歌手ヴィストーリの美声と技巧がアリアのしなやかな旋律美を描き出すかたわら、さまざまな古楽器の味わいが活きる器楽陣も絶妙。プログラムの巧妙さは解説でも詳述されていますが、イタリアの心意気に満ちた地中海情緒満点の古楽器演奏で体感する「音の時間旅行」には格別のものがあります。 

ナクソス・ジャパン

Le Stagioni

The ensemble Le Stagioni was created in 2017: it gathers together experienced young musicians, who all lead international careers both as soloists and with the great European early music ensembles.

They are united by a common desire to use their experience in a fresh new approach to performing music on period instruments. Led by the harpsichordist Paolo Zanzu, the ensemble can vary in form and size, with vocal music as a focal point. The repertoire of Le Stagioni is centred around the great works of the 18th and 19th centuries.

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