2021年5月27日木曜日

ベートーヴェン1802年ハイリゲンシュタットというアルバム

ベートーヴェン 1802年といえば、彼のの死後(1827年3月)すぐに、伝記作家シンドラーらによって発見された、ハイリゲンシュタットの遺書が書かれた年です。

ベートーヴェンは、以前から難聴の兆しに悩まされ、一時は自殺まで考えたものの、この遺書では、その苦悩を乗り越えたことが伺えるものになっています。

https://music.apple.com/jp/album/beethoven-1802-heiligenstadt/1560814813

1802年、ベートーヴェン 32才、作風的には中期が始まる時期です。ベートーベンの転機とも言える年に発表された曲を集めたアルバムです。

  1. エロイカ変奏曲(創作主題による15の変奏曲とフーガ)変ホ長調 op.35
  2.  7つのバガテル op.33
  3. ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 op.31-2『テンペスト』
  4.  創作主題による6つの変奏曲ヘ長調 op.34
そのように意識して、これらの曲を聴きますと、改めてベートーヴェンの偉大さと天才さに打たれる思いです。

ちなみに交響曲第3番「英雄(エロイカ)」が完成するのは1804年のこと。バガテル(Bagatelle)とは「ちょっとしたもの、短い小品」を意味し、ソナタを想定して書かれた作品を集めたもの。作品番号34の変奏曲は、ベートーヴェン自身が「本当に全く新しい手法」を用いた作品と宣伝したもので、ヘ長調の独自主題を調性を3度ずつ下行させながら表紙と速度を変化させています。

ピアニストのジョナス・ヴィトーは1980年生まれのフランス人ピアニスト。フランス人だからというわけでもないのでしょうけれど(ベートーヴェンにしてはといったら失礼なんですが)非常に繊細な音楽を奏でてくれています。

以下に輸入元の解説を貼っておきます。

フランスの名手ヴィトーが描くベートーヴェンの心の軌跡

フランスの名手ジョナス・ヴィトーによる、「1802年、ハイリゲンシュタット」と題し、芸術の力を信じてすべてに立ち向かっていくことを決意したベートーヴェンの心の軌跡をたどるかのようなプログラムの1枚。絶望の[『テンペスト』、エネルギーに満ち、ベートーヴェン自身得意であった変奏のスタイルで書かれた『エロイカ変奏曲』、そしてベートーヴェンが生きる力を取り戻したきっかけとなった懐深い「自然」を感じさせるバガテルと『6つの変奏曲』など、ベートーヴェンの様々な姿が目に浮かんでくるような演奏です。
ヴィトーは1980年フランス生まれ。6歳でピアノを、11歳でオルガンを始めました。ブリジット・エンゲラーらに師事、様々なコンクールで入賞をかさね、ソリストおよび室内楽奏者として世界で活躍しています。2013年よりCNSMでマリ=ジョセフ・ジュードのクラスのアシスタント教授として教鞭をとっています。(輸入元情報)

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