ニューヨークタイムズに坂口恭平さんのことが紹介されたことが、日本のメディアで話題になっていました(以下以外にも複数目にしました)。
- In Japan, His Disaster Art Saves Lives The New York Times 2021.3.5
- “家を建てない建築家”になる道を探して──米紙が総力取材した「坂口恭平の世界」 COURRIER Japon 2021.5.7
坂口さんも随分と有名になってきました。ニューヨーク・タイムズの記事と読者コメントをつらつらと読むと、坂口さんという存在を、結構な衝撃と驚きと疑問と羨望を持って受け止めているようです。
ニューヨークタイムズの一面に掲載されて以降、アメリカからおらの本読みたいって人からのメールたくさんきてるが、それで買ってもらうのもめんどくさくて、独立国家のつくりかた、の英訳版のPDFをギフトしまくっている。みんなむちゃ喜んでくれるので、いいことしたような気持ちになって嬉しい。
— 坂口恭平 (@zhtsss) April 21, 2021
そりゃそうでしょうね。自分だって、この年になって、坂口恭平という存在に、びっくりしているのですから。
坂口さんを「天才」とか言う人もいますし(坂口恭平が明かす“天才”の奥義 「僕の教えを守って実践すれば、誰でも天才になれます」 朝日新聞デジタルマガジン)、もともとアタマがいいだとか、運がいいとか、まあ色々と言いたくなる気持ちも分からないでもありません。でも、例えば彼の書いた「お金の学校」などを読むと(坂口恭平さんのnote)、好きなことを(ここがポイント)続けていれば、いやでもドンドンやりたくなるし、そうすれば誰だって天才になるし、うまくいくと思ってやっていれば、世の中うまく回って、結果として「経済=お金」も付いてくる、みたいな考え方は、楽天的すぎますが、本質だなと思います。
彼の「いのっちの電話(命の電話)」にしても「死にたい」という電話先の相手に、何か好きなものひとつ言ってみて、それがあると楽しいよね、もっと想像して、それをするにはどうする、何を揃える、じゃあやってみようよ、まずここまでできたら、また電話して、みたいなカンジのアドバイスで、とにかくポジティブで活動的です。
誰にもおすすめしない自分の生き方。でもその覚悟で生きるからこそできる、いのっちの電話だと思ってる。僕は半分死人のつもりで電話に出てます。こっちにくる覚悟がある人だけを見出そうと思ってる。大半は腰抜けの死ぬ気のない人間です。時々本当に死のうと覚悟している。その人と話がしたい。
— 坂口恭平 (@zhtsss) May 13, 2021
そんなポジティブな彼が、ひどい躁鬱病に陥っていたというのですから、これまた驚きです。躁鬱を解消したものはお弁当作りだったり、アート=創作だったというのも凄いです。この頃から、自分は彼のツイートをフォローしていました。訳のわからない抽象画を描いている頃で、ついこの間の事です。(それが今ではアルバムのジャケットになったり、アートスペースに飾られたりしてます)
朝から原稿書いて朝ごはん作って弁当作る人になったらとても清々しい毎日送れるかも。かつ手際が無茶苦茶良くなってる。やればやるほど家事もうまくできるようになるのかもね。自分の持ち場で自分のペースでできたら。人のツッコミが入らない空間だととても動きのいい坂口恭平です。注意されるのが苦手
— 坂口恭平 (@zhtsss) January 15, 2019
ほんとこの人描いて何かが変わった。売りたいけど売りたくない笑 pic.twitter.com/j6pPCIMXZi
— 坂口恭平 (@zhtsss) May 10, 2020
何か毎日に続けられることを見つける。それは本当に自分がやりたいこと、好きなことでなくてはダメだと強調します。
こういう彼ですから、坂口さんの信奉者や支持者は、圧倒的に若者が、それも、ちょっと自分を見直している、あるいは今のシステムに馴染めないと思っている若者が多いかもしれません。
自分の場合は、もう還暦近いですし、しっかりシステムに組み込まれた生活してますので、今更感はありますけれど、定年後の人生をどうしようか、と思う点では、もしかすると20代前半の若者と変わらないのかもしれません。多くのいい年をした大人たちが、リーマンという肩書きなくす歳になって改めて呆然としているのですから。
え?何も好きなもの、やりたいものがない、今まで過去振り返って、これっぽっちも、本気になれたものがありませんっ、て人はどうすればいいかって?
そんな人にも、彼ならば回答を用意しているのかもしれません。(坂口恭平さんに注目している、といいながら、代表的な著作とか、あまり読んでないので、この問いかけには答えられないです。自分には命の電話はできないなあ)
自分のやるべきことを見つけたいとか言ってる人電話でよく聞くけど、全部自分のことばっかりなんよなぁ、自分の才能でお金稼ぐことばっかり、そんなん才能あるやつが考えることじゃないやん。才能あるなら、人助けんかい。
— 坂口恭平 (@zhtsss) May 14, 2021
0 件のコメント:
コメントを投稿