リコーダーのミカラ・ペトリが、キース・ジャレットのチェンバロで、J.S.バッハのフルートソナタを1992年に録音したものです。
キース・ジャレットといえば、自分にとっては神とも言えるジャズピアニストです。彼のピアニズムは、ジャズという枠内で捉えることができません。技量に関しても、この録音を聴いても(ピアノの専門家からは異論もあるかもしれませんが)クラシック奏者に比肩するのではないかと思います。
ペトリはこのとき34歳、キース47歳。ペトリの完璧な技術と超絶技巧のリコーダーに寄り添うように、キースのチェンバロが優しい響きとニュアンスを加えてくれます。このアンサンブルが何とも言えずに良い、非常に幸せな気分になります。
これも大変に端正な演奏です。まさに教科書的な演奏として、この曲を演奏しようとするアマチュアなどの、よいリファレンスになるのではないかと思います。
ただしリコーダーの音程の限界なのか、いくつかの曲は移調されたり、ソプラノリコーダーで演奏たりしているため、最初は違和感を感じます。しかし、演奏が良いので、そのうち、そんなことはどうでもよくなります。
Amazonのレビューを読むと、キースのジャズ・ミュージシャンらしい解釈という感想がありますけれど、先に聴いたエスファハニの方が余程、弾けたところがあって、キースとの演奏の方が自分的にはむしろオーソドックスな演奏に思えました。(エスファハニとの盤の感想)
ペトリとキースのアンサンブルは、もう一つ、1991年に録音したヘンデルのフルートソナタもあります。
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