2006年8月7日月曜日

エスクァイア 9月号~発見、クラシック音楽

「エスクァイア 日本版 9月号」が「発見、クラシック音楽」と題して、かなり本格的な特集をしていることをいくつかのブログで知りました。書店で立ち読みしようと思ったのですが、これが本当に、かなり詳細にしてマニアックな記事であるため、思わず購入してしまいました。


雑誌の詳細な紹介は他のブログに譲るとして、私が本記事を読んで感じたこと。時代はおそらく新たなクラシック・ファンを求めているのではないか、ということ。





記事の特集が「ロシア・ピアニズム」「古楽」「「オペラ~グラインドボーン・オペラ・フェスティバル」という組み合わせ。今年流行の「モーツァルト」は敢えて言及を避け、夏オペラのワーグナーは一顧だにせずというスタンスはなかなか見事です。


オマケCDの最初の曲、《バッハの二つのヴァイオリンのための協奏曲からアレグロ》が流れた瞬間に、私は「やられた!」と思ったものです。だって、理屈ぬきにカッコいいんですもの。おそらくはクラシックに馴染みのない人も、スピーカーから音が出た瞬間にハッとし、思わず作曲家を確かめて、もういちど愕然とするに違いありません。この軽快な曲の後がシャルパンティエだなんて何て素敵な。


「エスクァイア」は男性雑誌のハズですが、これは極めて女性的な選曲と企画。というか、このごろは男性も随分と女性化しましたから、いわゆるジェンダー・フリーな感覚なんでしょう。


クラシックは快活にしてカッコよく、どこか教養的、貴方をワン・ランク上に仕立ててくれます。先鋭化された感覚の表現や究極のヒーリングを志向することもできますし、ロマンティシズムや貴族的豪華さや退廃さえも体現しています。オペラに限らずクラシックにエロティシズムを感じてしまったら、おそらくはどんな娯楽も適いますまい。眉間にシワを寄せて眼をつむり手を振りながら聴くなんて野暮ヤボ。


雑誌の編集後記に「えんぴつで奥の細道」というベストセラーを取り上げて、下記のような対話がありました。



●歳とってくると、古典とか読んでないとっていう焦りみたいなものがある。源氏物語ちょっとしか読んだことないな、とかね。暇ができればできるほどそう思う。これなら、読まなきゃいけないと思っていたものが読めて、字も上手になるし、人生も豊かになるし。


●それって結局、暇だってこと?



自分が歳を取るほどに暇になってきたという実感は全くありません。しかし日本人総体で考えると膨大な「消費しなくてはならない時間」だけは増大してきているのだろうなと。その隙間にクラシック音楽もある位置を与えられるのではなかろうかという予感だけが。