ロシア出身のアンナ・ヴィニツカヤによるショパンのバラードと即興曲集です。このジャケットのイメージとは裏腹に、非常に強靭な演奏を聴くことができます。
ショパン:
- バラード 第1番ト短調 Op.23
- バラード 第2番ヘ長調 Op.38
- バラード 第3番変イ長調 Op.47
- バラード 第4番ヘ短調 Op.52
- 即興曲 第1番変イ長調 Op.29
- 即興曲 第2番嬰ヘ長調 Op.36
- 即興曲 第3番変ト長調 Op.51
- 幻想即興曲(即興曲 第4番)嬰ハ短調 Op.66
- 録音時期:2020年5月、6月
- 録音場所:ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ
- 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
自分は鍵盤作品は好きなのですが、どうもショパンという作曲家に馴染めないでいます。メロディアスなところや技巧的なところなど、ピアノという楽器の性能を余すことなく伝えてくれる曲であるためなのか、あるいは「エチュード」という名前の刷り込みなのか曲として楽しめない。何か大きな岩壁のような印象を受けてしまうのです。
昨年も、その岩壁を少しでも柔らかくしようと思って、ポリーニやポゴレリチの旧録音や、アンスネス、アンデルシェフスキ、リシエツキ、トリフォノフ、デバルグなど、目にした盤をいくつかあるいは、継続的に聴いたりしたものです。
ヴィニツカヤの演奏は、バラードの最初の音が非常に良くて、スッと体に張ってくる感じで、思わずに「これはいいかも」と思って何度か聴き返しています。選曲からして結構タフなのですけど、繰り返し聴くに値する盤と言えるかもしれません。
彼女の他の演奏も、そのうち聴いてみようと思います。
- ヴィニツカヤ、待望のショパン! HMV
ロシア出身で2007年のエリザベート王妃国際音楽コンクールのほか数々のコンクールを制し、2009年のデビュー盤以来、リリースするアルバムも常に話題となってきたヴィニツカヤ。これまで祖国ロシアの作品を中心に、ラヴェルなどでもダイナミックさと繊細さを両立させた素晴らしいアプローチを聴かせてきた彼女が、久しぶりにリリースするソロ・アルバムは待望のショパンです。
即興曲第1番の軽やかさの中に含みを待たせた独特の表情など実に見事。細やかで優しいフレーズを大きなクライマックスへ運んでゆく思い切った音作りや、一音一音を美しく響かせながら決して甘さに浸らない情感コントロールなど、期待通りの素晴らしいショパン像を作り上げています。(輸入元情報)
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