梅雨だと言うのに暑いですね、今日は35度にもなったのですとか。外に出ると熱風が全身を包みます。うんざりしながら涼を求めて新宿のHMVに入ったら、高木綾子さんの新譜が発売されていましたので思わず手に取りました。何と福田進一さんとのデュオではないですか。
ジャケットも梅雨時期なので最初は白カビが生えているのかと思ったのですが、水滴のついたガラス越のポートレートだと気付きました、とてもスィテキ(素敵)です。
さて内容ですが、ピアソラや武満徹の有名曲をはじめ、ボザやイベールなどのフルート関係者にはお馴染みの作曲家の曲や、アルゼンチンのギタリスト兼作曲家のブホール、カンヌ生まれの名ジャズ・ピアニスト、作曲家、指揮者であるボーリングの曲なども交えて楽しめるアルバムになっています。ありきたりの選曲でないところが、うれしいです。
高木綾子 福田進一/海へ
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高木さんのフルートは、実は生で聴いたことがないのですが、CDを通して聴く限りにおいては、独特の抵抗感のある音色に特徴があり魅力になっています。特に低音での迫力は、音楽だけを聴いているとジャケ写真のような女性が演奏しているとは思えないかもしれません。このアルバムでも、最初の曲から、歌声で言うなら「ちょっとハスキー」な感じの音色でグイグイと迫ってきます。
しかし、ここが誤解を招くと思うところなのですが、CDをヘッドフォンを通して聴くのと、ホール空間で聴くのでは全く異なったものであると思いますので、実際がどうなのかは、いつか補正しなくてはならないと思っています。
曲はどれもが良いですね、「タンゴの歴史」や「海へ」はもちろんですが、「ブエノス・アイレスの雲」や「子守唄とセレナード」などの、のびやかでゆったりとした曲も聴きこたえがあります。疲れた体が「ああ、海にでも行きてーな」と叫び始めます。いくつかの曲は楽譜でも入手して練習してみようかな、という気にさせてくれます(ボザとかボーリングとか)。
ギターの福田さんも絶妙な音色で聴かせてくれています、まさに余裕、貫禄といったものまで感じますね。福田さんの「タンゴの歴史」といえば工藤重典さんとのアルバムも実家にあるはずなので、いつか聴き比べて見ます。個々の曲の感想を書くには疲れすぎているので、これにて。