2021年2月13日土曜日

ネルソンス のブルックナー交響曲第三番

2017年からネルソンスはブルックナー全集をゲヴァントハウスと録音を開始しています。その第一弾が、交響曲第3番です。演奏はライブとのこと。 



ブルックナーが1873年にワーグナーと面会し、交響曲第2番と本曲の初稿の総譜をみせて献呈したいと申し出たところ、ワーグナーは3番の献呈を受け入れたそうです。

この曲の初演は、当初は「演奏不可能」として見送られ、後にブルックナー自身の指揮でウィーン・フィルが初演しています。しかしながら、当時は奏者も聴衆もほとんど音楽を理解できなかったようです。曲の献呈を受けたワーグナーは、そんなブルックナーの才能を早期に見抜いていたようです。(以上、Wikipediaより)

私がブルックナーを聴き始めた、それこそ20年以上前は、ブルックナーの交響曲は第4番以降であって、よほどのマニアか酔狂でなければ、0番から3番など聴かなかったものです。

それど熱心なブルックナーファンとはならなかった私ですから、当然のごとく第3番を真面目に聴くのはとても久しぶりのことです。(そもそも、ブルックナーを聴くことじたい、とても久しぶりのことです)

聴いてみますと、いきなりにブルックナー節がさく裂していて、思わずニヤリとしてしまいます。まったくもって、ブルックナーはどこを切っても音楽が金太郎飴のようなのですけど、第3番もまさにそういう音楽です、そこがとても面白い。

ネルソンスとゲヴァントハウスの演奏は、金管群がやたらとやかましいこともなく、まろやかな弦の美しさ、低弦の揺るぎない支え、打楽器の強さが印象的です。テンポもそれほど遅くもなく中庸といったところでしょうか。

演奏の完成度と満足度は高く、王道のようなブルックナーに聴こえます。聴いていて精神的に不安や深刻に陥ることもなく、それ故に開放的な明るさのある現代的な演奏であると感じます。

ときおりワーグナーのような雰囲気の部分が現れてハッとしたりします。このCDがタンホイザーとのカップリングというのも憎いです。

本ブログを検索すると、テンシュテット指揮バイエルン放送響の演奏のレビュウがありました、全く忘れていましたね。

他のシリーズもそのうち聴いてみます。

(※開放的で明るい現代は、もはや過去のものですけど)

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