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2003年2月3日月曜日

《指環》の抜粋を聴く2

バレンボイムのバイロイト版抜粋を聴いて、引き続き彼の「ジークフリート」と「神々の黄昏」を入手しようと思ったのだが、余りにもその演奏が素晴らしいので抜粋版を買うのがもったいないという気になってしまった。そこで、以前買ってあまり聴かずにいた抜粋版を取り出して聴いてみることとした。


マレク・ヤノフスキ指揮/ドレスデン・シュターツカペレ

《ラインの黄金》(第4場)~虹のかけ橋~ワルハラ城への神々の入場
《ワルキューレ》(第3幕)~ワルキューレの騎行
《ワルキューレ》(第3幕)~魔の炎の音楽
《ジークフリート》(第2幕)~森のささやき
《神々の黄昏》(プロローグ)~夜明けとジークフリートのラインへの旅
《神々の黄昏》(第3幕)~ジークフリートの葬送行進曲
《神々の黄昏》(第3幕)~終曲-ブリュンヒルデの自己犠牲

《指環》で有名な<ワルキューレの騎行>そして中学生のブラスバンド経験者ならばお馴染みの<ジークフリートの葬送行進曲>などが収録されているため格好の「入門版」かと思っていたのだが、それは当たらないようだ。この版は1000円で入手できるのだがあまりお勧めできない。
というのも、15時間以上にも渡る音楽を1枚のCDにしているということにも無理があるのだが、それ以上に違和感を感じるのを禁じえないのだ。

ワーグナーの音楽は、それぞれの部分が独立しておらず連綿とつながって構成されている。従って例えば有名な<ワルハラ城への神々の入場>を聴いても、なぜエルダの登場のシーンがカットされているのかと不満になってしまう。同様に<ブリュンヒルデの自己犠牲>にしても、それ以前のグートルーネとのやり取りがないではないかと・・・。所詮は抜粋版というのはその程度のものだと割り切るしかなさそうである。

さて、演奏の方だが不勉強にしてヤノフスキという指揮者をわたしは知らない。ワーグナーの音楽としては非常にあっさりとした薄味の演奏に聴こえる。コテコテワーグナーに飽いた人には向いているのかもしれないが、ワーグナー初心者の私には、ヤノフスキのような演奏もアリかなと思う。全集版が欲しいかと問われればNoではありますが。


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