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2015年11月14日土曜日

クリスチャン・テツラフ バッハ無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータ 紀尾井ホール

紀尾井ホール20周年を記念してテツラフが来日、バッハの無伴奏を一気に演奏。

テツラフは梶本音楽事務所のTwitterによると「上着を忘れて買いに行く時間もなかった」らしく、黒の長袖カットソーと黒っぽいパンツというラフな格好。
ステージに上がるやいなや、あまり間をおかずソナタ1番を奏で始める。
バイオリンの音に厚みとざらつきがあり、音がホールをあっという間に充満する。
無伴奏ソナタ1、2番、パルティータの1番はあまりなじんでおらず、前半は正直すこす聴いていてつらいかなという感じで眠気さえ催す。
ああ、こんなことではもったいないと思いつつ前半は朦朧の中で終わる。

後半はパルティータ2番からソナタ3番、パルティータ3番。
こちらは耳にも聴きなれた曲で、十分に緊張感を持って聴くことができた。
シャコンヌも素晴らしく。
その他の演奏の素早いパッセージとそこから浮かび上がってくる旋律など神業的。
しかめっ面したバッハというよりは、色々な解釈の中でかなり自由に演奏されているバッハのようにも感じる。どこがどうというわけではないのだが。

アンコールはBWV1003から3楽章Adagio。パリでの同時多発テロを痛んでの演奏。

ブラボ。