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2018年2月21日水曜日

リュカ・ドゥバルグ 演奏会

トッパンホールに リュカ・デュバルグの演奏会に行ってきました。

プログラムの半分がショパンで、私はほとんどショパンは聴かないものですから期待半分、正直あまりプログラム的には乗り気になれないが半分というところでした。
 
しかしながら、予想に全く反し冒頭のポロネーズ6番変イ長調≪英雄≫の、あまりにも通俗的な、そしてあまりに有名なフレーズからして打ちのめされたコンサートトなりました。
音の流れ、厚み、ペダルワークによる色彩感、アゴーギグとリズムによるグルーブ感など
(実はとても)聴きなれていた曲も新鮮に響いた数時間でありました。
 
前半ショパン、後半バッハ、ベートーベン32番とプログラムとは曲構成を入れ替えた本番でこの変更は当然の結果でしょうか。
バッハ トッカータハ短調からベートーベンの32番は拍手を求めずに、シームレスに演奏を続けます。このベートーベンの晩年にしてピアノソナタの頂点とも言える曲も圧巻でした。
 
ハ短調の1楽章とハ長調の2楽章の対比も見事で、至福にして永遠とも思えるベートーベンを奏でていました。この曲も結構、ある時期に聴きこんでいたようで、それでも、改めて深く良い曲であったのかと認識を新たにしました。

アンコールなしでの演奏も当然で、むしろこれに何かを加えるなら、コンサートの緊張感を低めることにしかならなかったでしょう。

バッハなど古典ものには多少うるさい家内は
 「バッハをああ弾いちゃあね〜」「ベートーベンのスタッカートのリズムにジャズ的なところがあった」との感想もありましたが自分にはその部位を特定できず。

それでも、バッハはともかく、聴き終わってみると、新鮮で、やはり現代的若さや湿度感が漂う極上の音空間で最初のコンサートへの不安はどこにやらで、全く楽しませていただきました。