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2003年9月14日日曜日

アムランのアルカンほか


Adolf von Henselt (1814-1889)
 Piano Concerto Op.16
 Variations de Consert Op.11 (Frist Recording)
Charles-Valentin Alkan (1813-1888)
 Concerto da Camera Op.11/1
 Concerto da Camera Op.10/2 (First Recording)

Piano:Marc-Andre Hemlein
Conductor:Martyn Brabbins
BBS Scottish Symphony Orchestra
Recording in Govan Town Hall, Glasgow, on 2 3 December 1993

ここに納められている Henselt と Alkan は、リストやショパンと同時代の作曲家であるらしい。Alkan は名前くらいは聴いたことがあるが、Henselt は読み方さえ分からない。この盤のふたつの曲がともに世界初録音とは驚く。

数多くの作曲家の中で現代でも聴き続けられているのには理由があるのだろうが、歴史の中に埋もれてしまっている作曲家も、私が知らない以上に多いのかもしれない。アムランが発掘したこの二人の作品も、これが何故に今まで誰も演奏しなかったのか不思議でならない、あまりに不当な扱いではないか。

どちらの曲もピアノの技巧をこらした、壮大なる曲である。音楽的な起伏も大きく、しかも深刻になりすぎず良い意味で刺激的でかつ健康的な美しい曲であると思う。特に凄まじい速さで速さで上下する旋律はロマン的な華やかさに満ちていて、アムランの精巧なテクニックで聴かされると、ふつふつと快感のようなものまで感じる。

しかし、何度もこの曲を聴いていると、「彼は、素晴らしくて、とてもいい人なんだけど~」的なつまらなさを感じることがなきにしもあらず。これらの曲が埋もれてしまった理由は、そんなところにもあるのかもしれない。もっともアムランのような者が弾けば、作品は生き生きとして蘇るのではあったが。