2001年10月9日火曜日

静かな秋の季節には

北海道の秋は足早に駆け抜けてゆく。ついこの間まで半袖服を着ていたのに、たった1ヶ月か過ぎただけでセーターやコートが必要になってしまう。木々は先を急ぐかのように色づき、枯葉を地面に散らしてゆく。もの寂しくなる季節ではあるが、一方で季節がダイナミックに変化してゆく躍動感もあるものだ。大胆に夏の衣装を脱ぎ捨て潔く冬に向かう自然の姿は、心地よい陽だまりが長く続く本州の秋しか知らない人には驚きかもしれないが。

こういう季節は、重厚な交響曲よりも室内楽曲に、それも弦楽四重奏曲のような、研ぎ澄まされたアンサンブルを聴きたくなる。木質系の響きが秋を連想するのだろうか、それとも無駄を省いた構成美が秋にふさわしいのか。普段あまり聴かない楽曲に聴き入り、静かに秋の夜長を過ごすのも悪くないものだ。下の二つでは、私的にはラヴェルの弦楽四重奏曲が好きだ。出だしから、優しい旋律に引きつけられる。

アルバン・ベルグ四重奏
ドビュッシー 弦楽四重奏曲 ト短調 作品10
ラヴェル   弦楽四重奏曲 ヘ長調
(EMI TOCE-9023 1984 1985)