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2003年10月20日月曜日

Durufleのレクイエム


Maurice Durufle (1902-1986)
 Requiem Op.9 (1947)
 Quatre Motets Op.10 (1960)
 Missa 'Cum jubilo' Op.11 (1966)

St.Jacob's Chamber Choir ( S:t Jacobs Kammarkor )
organ: Mattias Wager  baritone: Peter Mattei
mezzo-soprano: Paula Hoffman  cello: Elemer Lavotha
1992&1993, BIS Records AB

フォーレの「レクイエム」に並ぶヒーリング系レクイエムというHMVのキャッチに惹かれて購入してみた。聴いてみれば、確かに心の奥底に染み渡るような美しい音楽が展開されている。さて作曲者はとみれば、Durfule とは何と20世紀の作曲家ではないか。しかも「レクイエム」の作曲は1947年とある。

私は常々、どうして現代の作曲家が、いわゆる「クラシック音楽」を作曲しないのか不思議でならなかった。時代背景や嗜好というものもあろうが、新たな視点から古典音楽やロマン派的な音楽が作曲されたっていいではないかと思うのである。(もちろん現代音楽を作曲してくれてもよいが)

とにかく聴いてみていただければ分かる。「レクイエム」はフォーレのそれのように「怒りの日」を入れていないため、安心して聴くことができるし、オルガンとコーラスのハーモニーがうっとりするほどに絶妙である。続く二曲もコーラス付きの曲だが、まるでグレゴリオ聖歌のような曲だ。

解説によれば Durfule は、音楽のキャリアをルーアン大聖堂から始めたらしく、そこでオルガンを学んでいるらしい。しかし、たた古典的な様式を模倣しただけでの音楽ではなく、聖歌のような清らかなコーラスと輝かしい音響がマッチし類い稀なる音楽を生み出している。

「癒し系」とか「ヒーリング」という言葉やムードは好きではないのだが、心も体もズタズタで脳も充血しているのにアドレナリンだけが噴出し体温が1.5度くらい上昇しているような夜(どんな夜ぢゃ!)に聴くと、細胞の隅々にまで冷気が行き渡る心持だよ、はあ~。