テンシュテット ベートーベン交響曲第1番
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同時収録は以前紹介したベートーベン交響曲第5番(何度聴いても凄い)とエグモント序曲(何度聴いても息が止まる)。キール歌劇場オケとの演奏も壮絶ではありましたが、1968年の東独時代のこの演奏もエネルギーレベルが極めて高く、そして瑞々しさに溢れた演奏に仕上がっています。
ベートーベンの1番なんて滅多に聴こうという気になりませんが、改めて聴いてみると、こんなにも良い曲であったのかと気付かされます。第1番はベートーベンらしさと、古典派のテイストが旨い具合に溶け合っていて、そんなに気負わずに聴ける曲ですが、テンシュテットの演奏からは、しっかりベートーベンの息吹を感じ取ることができます。
やたらと刺激的ではないものの重厚さと迫力は充分。さらっと流して聴ける演奏ではないです。第一楽章はそれこそあっという間。第二楽章も悠然としていながらも、演奏全体からは若々しい力を感じます。第三楽章などは、もうすこし綾とか余韻が欲しいところですが、テンシュテットの推進力はグングンと勢いを増し圧巻の終楽章に進みます。このキビキビとした運動性能の心地よさ!
聴いていると体内の奥底からフツフツと喜びが沸いてくるというのは、ベートーベンの持つ音楽の力です。なんだかんだ言っても俺ってベートーベンが好きなんだなと思ってしまいます。
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