新聞広告などで大きく宣伝されていましたので、ざっと二冊を読んでみました。もっとも、立ち読み、それも2冊合わせて30分程度です、はずしていたらごめんなさい。
『仕事力』の方はタイトルの通り残業することがいかにムダであるのかを、諸外国のデータや著者の経験に基づいて力説しています。『人生力』は、前著の蒸し返しの部分が多いので、読むなら『人生力』だけでも良いかもしれません。
本書は、残業を続けることが仕事後の人生(著者はそれを「本生」と称しています)をスポイルすることになるという、著者の最も基本的な人生に関するスタンスを強調しています。
著者の「所詮仕事はゲーム、人生に必要なお金をかせぐためのもの」「楽しみは仕事がおわってから」というスタンスに違和感を覚える読者も多いようです。しかし、本質はそこになないと思います。著者だって仕事を人生の一部と考えて「楽しんで」いることは十分に伝わりますから。
私の場合、一番印象的だったのは、以下の式です。
��4時間-(睡眠時間)=(仕事の時間)
仕事の時間には通勤時間も含まれます。これでは自分の時間が残らないのだと。著者は最低でも3時間は毎日自分の時間をつくれ、家族と会話しろと説きます。まず自分に投資しろということです。すなわち、
��4時間-(自分への投資時間)-(睡眠時間)=(仕事の時間)
ということです。「自分への投資」には自己啓発もありましょうし、家族との時間も含まれます。著者は仕事関係のパーティーなどには出席しても、「どんなに親しい人とも二次会は行かない」と書いています。「睡眠時間」も確保すべきリソースなわけです。
自分のリソースさえ計画配分できない輩が、企業利益を叩き出せるわけなどないのかもしれません。残業ゼロの発想とは、人生の生産性を上げ、よりよく生きていく上での不可欠なものと痛感する次第です。
その他、著者の個々の「アイデア」については、実践していることも多く、それほど感銘は受けません。そんなの当たり前だよなといったところ。
いずれにしても定年前後に配偶者から別居願い、離婚届けなど突きつけられないようにすることは、「24時間仕事人間」にとっては痛切な問題でしょう(><)。
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