トッパンホール ニューイヤーコンサート2023の招待を受け聴いてきました。プログラムは以下ですが、トッパンならではという選曲なのかもしれません。
- コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8
- J.S.バッハ(D.シトコヴェツキ編):ゴルトベルク変奏曲 BWV988
- ユリアン・シュテッケル(チェロ)
- 山根一仁(ヴァイオリン)
- 原ハーゼルシュタイナー麻理子(ヴィオラ)
ユリアン・シュテッケル(Julian STECKEL)さんは現代を代表するチェリストの一人。ヨーロッパなどで高く評価されているものの、日本での知名度はイマイチとのこと。最初は重量級、コダーイの無伴奏チェロ、堂々たる演奏でチェロという楽器の限界まで追い込むような曲と演奏に圧倒されました。もっともこの曲、聴き込んでいるわけでもないので、どこでどう盛り上がれば良いのか分からず、明るい曲でもありませんから、聴く方にもなかなか忍耐を強いるところがありました。
コダーイの後にちょっとしたサプライズ。トッパンホールのプロデューサー西巻正史さんが舞台に登場し、シュテッケルさんと師弟関係にある岡本侑也さんをご紹介、お二人のデュオが演奏されました。曲はパガニーニのモーゼ幻想曲。これはとても素晴らしい演奏でした。ふたりとも心の底から楽しんで演奏しているようです。音楽というのは、演奏というのは、こういう掛け合い、会話なんだよなあと、しみじみと思ったものです。楽器の違いなのかお二人の音色の違いも顕著で楽しめました。
休憩をはさんではD.シトコヴェツキによるゴルトベルク変奏曲、これまた重量級の曲です。ゴールドベルクの編曲版はいくつかCDで聴いたこともあり、楽しみにして聴きましたが、感想としてはいまひとつ。鍵盤楽器の凄さを改めて思い知らされたと言いますか。三本の弦でありながらも曲の流れや響きがどこか単調で、自分としてはそれほど楽しめるものではありませんでした。せっかくのシュテッケルさんのチェロもあまり生きていないように感じましたね。企画としては興味深いプログラムであっただけに、ちょっと残念でした。
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