- 山口恭子:だるまさんがころんだ (1999)
- 一ノ瀬トニカ:美しかったすべてを花びらに埋めつくして… (1995年度オーケストラ・アンサンブル金沢委嘱作品)
- 猿谷紀郎:碧い知嗾 (2003年度オーケストラ・アンサンブル金沢委嘱作品)
- 岩城宏之(cond) オーケストラ・アンサンブル金沢 高木綾子(fl)
- 2003年4月24(1)(2) 2003年9月19日(3) 石川県立音楽堂コンサートホール(ライブ録音) WPCS-11723
どれもが日本の現代音楽の「今」を象徴する3人の若手作曲家による注目作品を集めた1枚であるとのこと。
一番の注目は、高木綾子さんがフルート・ソロをつとめる一ノ瀬トニカさんの作品。これが恐ろしく素晴らしい。高木さんのフルートは文句なしに良い。彼女独特の一本芯の通った音が曲に存在感を与えています。とにかく、冒頭の室内楽とフルートの交信からして美しすぎる。何なんでしょう、この懐かしさに満ちた、それでいて新しい感じのする音楽は。
作曲者自身によるプログラム・ノートには
一種の浮遊感(足取りとしては確かなもの)というキーワードがあります。確かに浮遊感のような、移ろいの美しさと儚さはあるものの、弱々しかったり女々しかったりするようなものではなく、不思議な確信と希望に満ちた感覚。立原道造の『天の誘い』という詩にインスパイアされて作曲したのだそうです。
中盤での高木さんのフラッターと跳躍を伴った技巧的なパッセージ、それに呼応するかのような弦と打楽器の交信、オーケストラによるクラスター的音響とフルートの叫び。音楽は次第に盛り上がって。
そこからラストに至る音楽は、美しすぎて言葉になりません。
岩城氏の音楽を聴くつもりが、一ノ瀬トニカさんと高木綾子さんに、完膚なきまでに叩きのめされた一枚となってしまいました。
その一ノ瀬さんの作品をもっと聴きたいっ!と思ったら、来週の目白バ・ロック音楽祭で聴けるではないか!目と鼻の先!っと思ったらっ!来週は岡山出張ではないかっ!ふひょーん!! ちなみに高木綾子さんのフルートは7月の奏楽堂で接するから良しとしよう。
ふと思ったのですが、名前が「トニカ」ですって?本名?「現代音楽」なのに美しいわけです。
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