ページ

2007年9月16日日曜日

行楽シーズンですね、ということでパキスタン・・・


三連休で東京は天気が良いですね、まだ残暑厳しいですが行楽シーズン到来といったところでしょうか。


さて、日本の総裁選以上にパキスタン情勢が面白いというわけでもありませんが、個人的な覚え書きとして、その後の状況を少し調べてみました。今後もパキスタン情勢について書き続けるわけではありませんよ。




そもそもパキスタンという国は、独立以来アメリカと共同関係にあり、インドとはカシミール問題で対立しています。中国とは友好関係にあり、中国と共同開発している戦闘機のミサイルとレーダをフランスから購入するという記事が1週間前の新聞に出ていましたかね。北朝鮮とは核兵器開発疑惑の関係にありますね。そういうフクザツな国でありながら、日本(当時の小泉政権)は2002年に日パキスタン国交樹立50周年を契機に友好関係の増進を図っています。


1999年の無血クーデターで現ムシャラフ大統領による独裁政権が誕生しています。ムシャラフ政権をアメリカは支持しており、パキスタン政府が「テロとの戦い」としての国際治安支援部隊(ISAF)=多国籍軍の中では、唯一のイスラム国であることは以前書きましたか。


アメリカ支援によるテロ掃討作戦によるイスラム教徒への圧迫が、国内の反ムシャラフ勢力の不満を掻き立てているようです。


さて、そんな中で11月の総選挙に向けて復活を目論むシャリフ元首相とブットー元首相が相次いでパキスタンに戻ろうとしたわけです。シャリフ元首相は、政策的には徹底的に反ムシャラフを貫いていますから、ムシャラフとは犬猿の仲。パキスタンに着いたと思ったら、数時間で国外追放されてしまいました。


一方で、冷静でタフなブットー前首相は、シャリフ前首相のようなオマヌケは避けているようです。ムシャラフ大統領に譲歩と歩み寄りの気配さえ見せながら、復帰を狙っています。しかし、アメリカ筋の新聞を読んでいると、ブットー前首相がムシャラフと組むのか、あるいは敵対するのか、その動向は未だつかめないとしています。特にパキスタンは大統領選を10月初旬に早めました。ブットー前首相が何故大統領選の終わった後(10/18)に帰国するのか、その意図は彼女の陣営はコメントを拒否しています。


ワシントン・ポストによると、ブットーとムシャラフが何らかの取引(ムシャラフ再選支持と帰国のバーター取引)をしているにせよ、両陣営が組むことはどちらにとっても両刃の刃であるように書いています。ムシャラフが現権力を維持するにはブットーの協力が必要なのですが、ムシャラフ陣営はブットーが実現させようとしている民主主義に対して懸念を示しています。彼女のCNNへのインタビューには(何を言っているのか私の英語力ではさっぱりですが)'democracy'という言葉が何度も出てきました。


隣国のインドの人々のパキスタン政局に対する見方は無関心です。どちらが首相になったところで、軍がパキスタンを支配し、最も重要な問題(インド外交、アフガニスタン問題、USとの関係、核兵器、テロリズム)についての決定も軍が継続するだろうとしています。文民支配はパキスタンにおいては実現しないだろうと。ブットー前首相の所属する政党PPPはパキスタン内で大きな支持を得ていますが、インド人のブットー前首相の見方は下記のように冷淡です。



Benazir created the Taliban, J&K insurgency, bought missiles from North Korea and was scam-tainted.


The Times of India:Whatever happens, Pak army will call the shots

16 Sep 2007, 0134 hrs IST,Indrani Bagchi,TNN


ただし、インドにおいてもテロリズムは脅威であり、パキスタンの政情安定はインドも望むところではあるようです。

Pakistan is in for a sustained period of instability as its political dramas play themselves out. It's bad news for India in the longer term, because it gives space for the Taliban, Al Qaida and other Islamist terrorist groups to grow and prosper. India has now become established as one of the target countries of the Al Qaida ― and the current political confusion is not a good sign.


アメリカは、パキスタンに現在の政策が継続されることを望んでいることは言うまでもありません。テロとの戦いからパキスタンが抜けることは、アメリカの大義にとっても非常に懸念される問題ですから。


日本にとってはアメリカというフィルターを通したパキスタン外交というスタンスしかありえませんから、パキスタンを誰が統治しようとインドのエスタブリッシュメント以上に'supreme disinterest'な問題でしかありませんね。

0 件のコメント:

コメントを投稿