本書の主旨は「金持ち父さん 貧乏父さん」(→レビュ)と重なる点が多い。それは投資方法論においてではなく、「金融リテラシー」を身につけて前向きに生きようという強いメッセージを発している点においてです。
今までは、お金の事をあからさまに話したり「お金にお金を生ませる」「不労所得を得る」ということは、金持ちのやることとか、さらには罪悪感さえ覚えるような雰囲気があったものです。
しかしグローバル経済の影響を嫌でも受けるようになった現在、お金に無頓着であることは自分の人生の一部を放棄しているに等しいことです。日本人の教育の中で、自分の人生に対する「資産設計」という考え方が著しく欠如しています。
「金持ち父さん~」でも書かれていましたが、「とりあえず、良い大学に行って、良い会社に入って」が人生設計を確実にするものと、ついこの間まで信じられていました。それだけが選択肢ではないことを、私たちはバブルの前後で嫌というほど見せつけられ、今もその延長の中に居ます。
学校では金融知識や資産設計を教えてはくれません。お金に無頓着であった人には良いきっかけを与えてくれる書です。金融知識をしっかり身に付け、自分のスタンスと人生設計をすることは今からであっても遅くはないことを教えてくれます。
もっとも一通りの金融知識を身につけた人にとっては目新しいことは何も書かれていません。また投資で一発大もうけをしたい、という人のための本でもありません。分散投資、アセットアロケーションを中心とした長期運用で資産を増やすという人のためのものです。
そういう意味では良書ですが、さらに(More)を求めたい人には異論もある内容かもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿