ロシアでは何だか大変な騒ぎが起きていますね、TVはその報道ばかりです。プーチンにしてもブッシュにしても「テロとの戦い」を全面に打ち出していますが、彼らが権力を握ってから、かえってテロが増えたような気がするのは、勘違いなのでしょうか。
さて、そういう深刻な事態はさておき、今日もラウタヴァーラの不協和音に親しんでおります。
1969年に書かれた練習曲は異なった音程からなる6つの曲から成っています。NAXOS盤の解説はラウタヴァーラ自らがしたためているのですが、この演奏会用エチュードに込めた思いについては、
I therefore wanted to reintroduce a sonorous, broad piano style using the entire compas of keyboard, presenting this wonderful in its full abundance.と書いています。作者が意図したように、聴こえてくる音楽はピアノの低音から高音まで駆け巡るようなアルペジオであったり、得意の不協和音やクラスターであったりと、ピアノの能力を十分に発揮させた曲になっていて、技巧的かつ音響的な面白さも味わうことがでます。
それぞれの曲の特徴は「3度」brilliant、「7度」restless、「全三音」anguished、「4度」natural、「2度」expressive、そして「5度」airyとなっています。圧倒的な音塊が砕けるかと思えば、冷たい光が燦然と降り注ぐようなパッセージ、暗さと重さ、冷たい輝き、ラウタヴァーラ節が全開の曲といえましょうか。これが北欧的響きと考えるのは先入観が先立ちすぎているような気もしますが。
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