Whlhelm Bernhard Molique(1802-1869)という作曲家の名前は、はじめて聞きました。ドイツ・ロマン派に位置する作曲家ですが、現在ではほとんど忘れ去られている一人でしょう。ちなみにGoogleで「モリック フルート協奏曲」と検索しても、このCDの他は、ほとんど情報は得られませんでした。
CD解説によると、この曲はテオバルト・ベーム(現在の形式のフルート開発者)のために書かれたものとのこと、三楽章形式の華やかな曲です。
第一楽章は短調の力強い弦の響きの中から、決然とフルートソロが現れ浪々と歌を歌いはじめます。いかにもロマン派的なフレーズですが、正直なところ私はロマン派のフルート曲というのがどうも苦手です。19世紀ロマン派のフルートといえば、チマローザやトゥルー、ベームなどもそうなのでしょうか。吹いている人は気持ちが良いと思うのですが、モーツアルト以上に「みな同じ」に聴こえてしまうのは私だけでしょうか・・。
第二楽章のAndanteは、非常に優しげな旋律を持った楽章で、ここだけ単独で演奏されることもあるようです。 中間部分はそれなりに技巧的ですので最初のフレーズだけならば吹いてみたいと思わせてくれます。
第三楽章は一転して跳ねるような愛らしくコミカルなリズムが印象的で、ラストに向かっての技巧を凝らした輝かしさもそれなりに楽しませてくれます。
モリック:フルート協奏曲 ニ短調
- アラン・マリオン(Fl)
- マクシミアーノ・ヴァルデス指揮
- ニース・フィルハーモニー管弦楽団
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