No.123 Wednesday edition のラストでの村上の提言は、今月私が引っかかっていた問題を、ものの見事に言い切っているので、一部を引用したい。
まず競争社会の中で戦っていくのか、それとも自分の好きな道を極めていくのか、その二つくらいの道筋は示していかないといけないと思います。競争社会に適した人と適さない人がいますから。それに加えて、別に全員が競争の中で生きていかなくてもいいんだとアナウンスすることで、すごく楽になる人がいると思うんです。本が好きだったら図書館で働けばいいし、花が好きなら花屋さんで働いてもいい。そういう生き方が、年収2億円より劣った生き方では決してないということを、誰かがアナウンスしないといけないと思います。
ところでです。例えば図書館や花屋で働く収入の低い(と言い切るのも何だが、今は二極論での話なので、例えとしてです)人の生活が、十分に幸せであることが保障されている必要があるわけです。少なくとも、生活を楽しむことが出来るだけの余裕がなければ成立しない考えでしょう。また、職業に対する「誇り」と「尊敬」も必要です。
物価水準や社会保障制度、公的施設の充実度、税率の問題、さらには教育(内容と教育への投資金額)と社会道徳的な問題など、非常に多くの要素が立ちふさがってるような気がします。
個人的には、仕事は住宅から30分以内の職場で午前8時から14時まで働き、帰って昼寝して、夕方から自由な生活を楽んだり、地域活動やボランティアをできるような生活(まるでイタリアかスペインのよき時代か)が理想ですなあ・・・全く程遠い生活しているけど。
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