朝日新聞を見て驚いてしまいましたが、東京都立川市の防衛庁官舎へ自衛隊派遣に反対するビラを配った市民グループ3人が先月27日に警視庁公安第二課と立川署により逮捕されていたそうです。逮捕理由は、「住居侵入」罪だそうです(派遣反対ビラを自衛隊官舎で配って逮捕 憲法学者ら抗議)。
記事によると憲法学者たちは以下のように、今回の公安の行動を批判しています。
地元の大沢豊・立川市議らは3日午後、立川署を訪れ、「反戦運動への弾圧だ」として3人の釈放を要求。署側は「法律に基づいて正当に捜査している」と答えた。
奥平康弘・東大名誉教授、水島朝穂・早大教授、阪口正二郎・一橋大教授ら憲法学者や刑法学者ら56人も「住居侵入罪によって保護される法益は平穏な私生活。郵便受けは外からの情報を受け取る通路でもある。今回の措置は自由な民主主義社会の基礎を揺るがす」との声明を発表し、抗議している。
まったく慄然とする思いです。逮捕されたのは立川自衛隊監視テント村という市民団体です。逮捕された上に、事務所から書類、パソコン類も押収されたというから、念が入っています。公安は以前からこの市民団体に目をつけており、今回のビラ配りで「時期が時期だけにひとつお灸を据えてやろう」という意思が働いたのでしょうか。
朝日新聞5日の社説は「ビラをまいた人たちに非が全くないわけではない。自衛隊員や家族の複雑な気持ちへの配慮が足りないのではないか、という意見もあるかもしれない
」としながらも、
支援者らの抗議に対し、警察は「法律に基づいて正当に捜査している」と答えた。しかし、今回のような強引な摘発が続けば、市民が自分の意見を言ったり、集会を開いたりすることをためらいかねない。私たちはそのことを心配する。
自分と違った価値観を認め合い、自由に意見を交わすことができる。それが民主主義の社会であるための前提だ。
と主張しています。私も件の市民団体の活動について熟知しているわけではないので、結果だけから判断することは危険であるとは思いますが、全体的な印象ですと「言論弾圧」に近い、あるいは最近ではオウム真理教で戦後初めて適用された破防法、すなわち戦中の治安維持法に繋がる糸が見えてしまうというのは過剰な反応でしょうか。やはり見えないところで、世の中は間違った方向に進んでいませんか。
私は朝日新聞(電子版)で記事を見つけましたが、産経や読売はどのように記載する(あるいは無視する)でしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿