BIS-CD-1426:Vivaldi:Stabat Mater in F minor, RV 621
Jakub Burzynski, counter-tenor
La Tempesta,Jakub Burzynski, conductor
FL23171 Vivaldi:Stabat Mater in F minor, RV 621
Marie-Nicole Lemieux, contralto
Tafelmusik Baroque Orchestra
Jeanne Lamon, conductor
ヴィヴァルディの宗教曲の中ではRV621《スターバト・マーテル》もはずせないもののようです。Naxos MLでは上の二つの盤を聴いてみました。
Stabat mater dolorosa
とは「悲しみに暮れる御母は佇みたもう」という意味で、マリアの悲しみをしのび、苦しみをともにすることを通して神の恩寵が得られるように祈るというような歌らしいです。カウンター・テナーと弦合奏、通奏低音で描かれた短調の音楽は深い慈しみに満ち、宗教音楽としての美しさが込められているかのようです。
1998年にJakub Burzyn'skiによって設立されたポーランドのLa Tempestaによる演奏は、冒頭のStabat mater dolorosa
から打楽器(!これが効果的)と通奏低音が強調された非常に劇的な演奏が印象的です。Jakub Burzyn'skiは指揮とともにカウンター・テナーとしても活躍しています。Quis est homo qui non fleret
(かくも責め苦を負う)やEia Mater
(さあ、御母、愛の泉よ)での超絶的な高音にも驚かされます。ラストのAmen
は二つのバージョンで唄っており後者の方がより技巧的。演奏がヴィヴィッドで胸に迫ります。あまりのことに続けて三度も聴いてしまいました(^^;;
1979年設立のカナダの古楽グループTafelmusik Baroque OrchestraとコントラアルトのMarie-Nicole Lemieuxの演奏は、La Tempestaの激しい演奏を聴いてしまうと表現の違いに戸惑います。あれほどLa Tempestaで打ち鳴らされていた打楽器は使われていません。従って概ねゆっくりと、そして静謐な深い祈り感じる演奏に仕上がっていて、こちらの方が泣けますか。二つを続けて聴くと同じ曲とはとても思えませんね。
すっかりヴィヴァルディにハマっていらっしゃいますねぇ。
返信削除私もここで紹介されてるもの、だいたい聴いてみました。とくにスターバトマーテルは自分自身がヴィヴァルディの声楽曲に目覚めた曲でしたので興味深く聴きました。なかなか新録音が出ないので、最初に聴いたアンドレアス・ショルの声で完全に固定されてたのですが、このBISの録音には面食らいました(笑)。
NMLってそういえば、宗教曲はたくさんあるんですけど、オペラがあんまりありませんねぇ。先日取り上げられてた「オリンピーアデ」と「勝利のユディータ」ぐらいでしょうか。それだけが残念といえば残念・・・。
コメント感謝です。
返信削除オペラは少ないですよね。というか、まだビバルディのオペラに関する情報自体が少ないように思えます。音楽之友社の名曲解説ライブラリーにもオペラの記述はありませんから。
BIS盤は、やっぱり驚きますか、あれはフツーではないと思っておいた方が良いのでしょうか(^^)