アイスランド出身のピアニスト兼作曲家 Eydís Evensenの、ポスト・クラシカル的なデビューアルバムを聴いてみました。アルバムタイトルの「Bylur」とは、「吹雪」を意味します。
https://music.apple.com/jp/album/bylur/1554074705
Apple Musicには詳細な解説がありまして、更に収録曲ごとにEvensenが曲に込めた思いも寄せられています。
それによると、彼女が作曲をはじめたのは7歳の時、12から13歳になると7,8曲は作曲していたようです。19歳の頃、アイスランドを離れて彼女はモデルとして活動します。ロンド、ニューヨークなどモデルとしてのキャリアを積みながらも、2020年にアイスランドのレイキャビクに戻り音楽家になりました。
このアルバムは、そんなEvensenが育ったアイスランドの厳しい季節の移り変わりや、彼女のモデル時代のこと、家族の思い出や心象風景などがテーマとなっていて、ナイーブかつ私的なアルバムのようです。1曲1曲、Evensenの解説を読みながら聴いていると、まるでEvensenと静かに会話しているかのような気持ちになります。
曲はピアノ曲ばかりではなく、アイスランドの歌手GDRNのボーカルや弦楽四重奏の曲もあり、構成が単調とはならずに楽しめます。
自分は北海道生まれのため、アイスランドのような北国には親しみを覚えます。あまり予備知識がないのでアイスランドをGoogle検索してみると、非常に美しい風景写真が多く出てきます。厳しい気候であるがゆえに、美しい姿を自然は見せてくれ、そこに生きる人からも土地に根差した、暖かさと慈しみの多い音楽が生まれてくるのでしょうか。
アルバムに収録されているのは全部で13曲。そのどれもが長すぎず、アルバム全体でも45分くらいと適度で聴きやすい長さです。
- Deep Under
- Dagdraumur
- The Northern Sky
- Wandering I
- Vetur Genginn i Gard
- Fyrir Mikael
- Wandering II
- Circulation
- Innsti Kjarni og Tilbrigdi
- Naturdogg
- Midnight Moon feat. GDRN
- Brotin
- Bylur
Youtubeにも、彼女のいくつかの音楽と映像があります。
アイスランドは世界有数の火山国であり、以下のMVはヘリで爆発中の火山を空中から眺めるEvensenに「Bylur」が演奏されています。美しさと激しさ、そしてそれとは逆の静かさも感じる映像です。
こちらは「Dagdraumu(白昼夢)」。家族ぐるみでの親しい友人が亡くなった後に構想した作品だそうです。
これ以外の作品も少しチェックしてみようと思います。
(参考)
- アイスランド出身の気鋭のピアニスト/作曲家によるポストクラシカルなデビュー作がリリース! クワイエット系のリスナーも注目の1枚です! Diskunion
- アイスランドに思いを馳せEydís Evensenを聴く last_ladieu note
- アイスランドとはどんな国? その本当の姿をご紹介します! Guide to Iceland
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