2021年12月15日水曜日

フランチェスコ・ピエモンテ―ジによる「バッハ・ノスタルジア」~ブゾーニら編曲によるバッハを聴き改めてバッハを知る

ヨーロッパで活躍しているスイス人のピアニスト、フランチェスコ・ピエモンテ―ジ Francesco Piemontesi(1983-)による、ブゾーニ編曲などによるバッハ作品を含めた、バッハのコンセプトアルバム。PENTATONEレーベルからはシューベルトの後期ピアノ・ソナタ集に継いで2枚目となります。そのほかのレーベルでもいくつものアルバムを録音しおり、実力派ピアニストなんですね。

https://music.apple.com/jp/album/bach-nostalghia/1555758464

アルバムの両端にはブゾーニ編によるバッハの前奏曲とフーガ 変ホ長調 BWV552、通称「聖アン」が配されています。この元作品は、クラヴィーア練習曲第3部「オルガン・ミサ」の最初と最後に配されている曲。聖アンはイエスの母である聖マリアのその母、イギリスの聖アン教会のオルガニスト、ウィリアム・クロフト作曲の賛美歌がベースことから、その名前が付いたとされています。壮大にして圧倒的な構成力の曲です。

その間に、イタリア協奏曲、ブゾーニ編のコラール、ケンプ編のフルートソナタが入ります。こちらは比較的軽めの曲たち。

ブゾーニのオリジナルであるトッカータK.287も鮮烈。最後に「聖アン」のフーガに戻りほっとして聴き終えます。

なかなかに凝った構成で、これらの曲の対比がなかなかに面白い、非常に刺激的で興味深いアルバムです。

それにしてバッハよ、と思わずにはおられません。


  1. J.S.バッハ (ブゾーニ編): 前奏曲 変ホ長調『聖アン』 BWV552/1
  2. J.S.バッハ (ブゾーニ編): コラール『いざ来ませ、異教徒の救い主よ』BWV659
  3. J.S.バッハ (ブゾーニ編): コラール『目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声』BWV645
  4. J.S.バッハ: イタリア協奏曲 BWV971
  5. J.S.バッハ (ケンプ編): シチリアーノ 変ホ長調 BWV1031/2
  6. J.S.バッハ (マクシミリアン・シュナウス編): コラール『イエスよ、汝いまぞ天より下りたまい』 BWV650
  7. ブゾーニ: トッカータ K.287
  8. J.S.バッハ (ブゾーニ編): フーガ 変ホ長調『聖アン』 BWV552/2

(参考)

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