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2021年3月5日金曜日

ニコラ・アンゲリッシュのプロコフィエフ

ニコラ・アンゲリッシュは1970年アメリカ生まれのフランス系ピアニスト。古典派からロマン派の作品を得意としているとのこと。Apple Musicのラインナップを見ても、ブラームスやベートーベンのアルバムが並んでいます。マルタ・アルゲリッチが絶賛したことでも知られているようです。

そんなアンゲリッシュ氏によるプロコフィエフの新譜が出たので聴いてみました。



プロコフィエフ:

  1. ピアノ・ソナタ第8番 変ロ長調 Op.84
  2. 束の間の幻影 Op.22
  3. バレエ音楽『ロメオとジュリエット』からの10の小品~第2,4,6,10曲

プロコフィエフのソナタ8番は「戦争ソナタ」三部作の最後の曲で、数多くの名演があります。第二次世界大戦期に作曲されたために、この名前で呼ばれています。

ピアノ・ソナタ8番は技巧的にも難易度が高く、ヴィルトオーゾのピアニズムが堪能できます。アンゲリッシュは、ガンガン押すことなく構築的に音楽を演奏しているように感じます。

続く、「束の間の幻影」や「ロミオとジュリエット」も、プロコフィエフらしく現代的になりすぎず、それでいて古典的甘さだけではない。そんな曖昧なところに位置する音楽を、非常にすっきりと聴かせてくれます。

アンゲリッシュという人は、いや音楽家はみなそうかもしれませんけれども、内省的な性格なのでしょうか。技巧で煽ることはせずに語りかけるようです。

だからなのか、ニコラ・アンゲリッシュというピアニストは、ちょっと分かりにくいと言いますか、とっつきにくい暗所を受けているのですけど、改めて過去の盤も少し聴き直してみようと思っています。

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