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2021年4月20日火曜日

品川再開発地で見つかった鉄道遺構の高輪築堤に残すべき価値はあるのか

高輪ゲートウェイ駅の近くで、JR東日本による巨大な再開発が進んでいます。



工事の準備段階で、鉄道遺構としての高輪築堤が出土したとして、開発に待ったがかかっているとのことです。

この鉄道遺構は、鉄道開業時の田町品川間の軌道で、1872年(明治5年)に、海の中に堤防を築いて敷かれたものなのだそうです。

東京新聞が、定期的に報道を続けています。(以下は4月20日 東京新聞24面)




この鉄道遺構はJR東日本どころか前身の日本国有鉄道によるものでさえありません。自分の敷地掘って自分たちの先人が造ったモノが出てきただけで、外野がトヤカク言うモンダイではない、とはならないでしょう。


東京新聞の記事によりますと、何処まで残すかについて、議論が重ねられているようで、今のところ第七橋梁と呼ばれる部分(浮世絵にも描かれた、築堤が船の通り道として切られて橋になっていたところ)については、現地保存する方向、それ以外は、記録保存(記録して壊す)の方向とのこと。

この明治の土木構造物に、どれほどの価値を見出すかは人によって異なるでしょう。



ただ、コロナ禍あり、オフィス不要論も言われている中にあって、このような大規模な開発が必要なのかと言う疑問は残ります。


確かに一度壊したら元には戻りません。(自分で壊しておいて、後世になって元に戻した事例もないわけではありません)


都内の再開発は、まさにその節操のない繰り返しにも見えます。


鉄道会社とて鉄道収入に頼ってばかりいられるわけではなく、稼ぎは不動産事業だったりします。開発の行く末はJR東日本の経営基盤にも影響するのでしょうね。




鉄道会社はコロナの影響で、鉄道収入は激減しています。不動産事業だって不透明なのではないでしょうか。



上のJR東日本の株価は、日経新聞からですが、昨年2月頃より株価が大幅に下落して、昨年11月頃に底を打ったものの不安定な状況が続いているようです。今の株価水準は2013年の頃と同額ですから、アベノミクスによる株高分が吹き飛んでいる形でしょうか。

そういうJR東日本の経営状態の中で、品川開発と高輪築堤問題があるのでしょうね。


築堤の場所は、高輪ゲートウェイ駅から田町よりの地区ですが、隣りの品川駅周辺もスゴイことになっています。品川はJRだけではなく、京浜急行、西武鉄道など、鉄道、不動産開発の目玉となる地区です。

最近、京急の品川グースが解体、再開発の発表がありました。トヨタなども絡んでおり、一連の巨大再開発の中に、今回のJRも位置付けられているのでしょう。



築堤どころの騒ぎではなく、このこれらの計画が頓挫しなければ、数年後には品川高輪地区周辺の景色は激変、というか、過去と不連続に断絶された未来都市が出来上がることでしょう。

築堤の話題のつもりが、ハナシがデカくなってしまいました。不動産開発ウォッチもどきは、専門でもないのでこのへんにしておきます。



ついでに、追加。



さらに追加、築堤の意義が簡潔によくまとめられています。

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