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2021年4月8日木曜日

バルトリによるファリネッリを聴く

バルトリ、ジョバンニ・アントニーニとイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏。




この組み合わせが悪いわけがありません。変なのは、このジャケット写真の趣味くらいなモノです。

といいますか、この男装写真は、2017年ザルツブルク音楽祭でのヘンデルの歌劇「アリオダンテ」での衝撃の紛争を模しているのでしょう。バルトリの美学が、男装趣味に走って、男性が女性音域で歌うカストラートを自ら演じ、逆体験しているということなんでしょうか。自分で書いていても訳わかりません。


そんな妄想はさておき。

バルトリが伝説のカストラート歌手のファリネッリに焦点を当てたアルバム。ポルポラ、ハッセらのアリアが収められています。ポルポラの『ポリフェーモ』、ブロスキの『メローペ』からの2曲が世界初録音だそう。

カストラートといえば、そりゃあファジョーリとか最高だと思いますよ。でも、バルトリの歌唱力の前には、とにかく脱帽、ひれ伏すしかありません。

え?技巧的なだけで、パターンが一緒、深みに欠ける、みんな同じに聴こえる?そんなこたありません。

圧倒的なバルトリ節を堪能すると、細かなこと、世俗の嫌なことなど全て吹き飛んでしまいます。

悩みなんて、コロナなんてサヨウナラ。

バルトリ、ブラボー。

アントニーニ最高、生きてて良かった!

と思えるようなアルバムです。





ただ、アルバム最後の曲、ポルポラの歌劇「ポリフェーモ」から、「Alte Giove」だけは、2014年4月25日 東京オペラシティでのジャルスキー 公演で聴いた奇跡の歌声には敵いません(というか、本人しか敵わないのではと本気で思います)。

あの歌声は、ほとんど神でした・・・。



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