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2021年6月4日金曜日

Hummel - Weber - Mendelssohn ドイツロマン派の華麗なるピアニズム

Apple Musicに勧められるままに聴いてみましたが、思いの外良いアルバムでした。

https://music.apple.com/jp/album/hummel-weber-mendelssohn/1559285251

最初に収録されている、フンメルのピアノ協奏曲第2番イ短調。ヨハン・ネポムク・フンメル(1778-1837)の曲など、フルート曲以外は初めて聴いたかもです。Wikipediaによれば、フンメルはモーツァルトにピアノを習い、サリエリに声楽作品、ハイドンにオルガンを習ったそうです。なんとも贅沢な!と思わずに口をついてしまいます。

生前にあっては、ヨーロッパ最高の作曲家、ピアノ奏者の一人に数えられ、ベートーヴェンと並び称される巨匠の一人として音楽界に君臨した。形式的にはウィーン古典派の最晩期に属し、ホモフォニックな構造とイタリア風の装飾的な旋律が見られる。(中略)フンメルの名は死後から忘れ去られ、20世紀までは一部の曲を除いて知られていなかったが、近年その研究が進み、演奏・録音も増えてきて、この時代の作曲家にあっては人気を勝ち得ている。(Wikipedia)

最初の出だしこそ、いかにもモーツァルト的に聴こえましたが、すぐに音楽の進行は複雑になり、ロマン派を思わせるような作風に変わります。曲想が軽く、聴いていて非常に心地よいです。初めて聴く曲ではないのに、どこか慣れ親しんだ曲を聴いているような快感に浸ることができます。予定調和的な安心感を感じながらのほほんと聴いていたものの、最終楽章のアルべジオの嵐のような華麗かつ技巧的フィナーレに至ると、そんな雰囲気は消し飛んでしまい、舌を巻いてしまいました。

次はウェーバーのコンツェルトシュテック へ短調です。ウェーバー(1786-1826)は、モーツァルトのドイツオペラの伝統を継承し、ドイツロマン派のオペラ様式を完成、ワーグナーへと流れを導いた作曲家とのこと。ウェーバーも「魔弾の射手」くらいしか聴いたことがありません。この曲もまた技巧的で華麗な曲です。もう、これでもかってくらい(笑

最後はメンデルスゾーンの華麗なカプリッチョ ロ短調。ウェーバーの影響を色濃く受けた曲とのこと。なかなか考えられたプログラムです。タイトルの通り華麗な曲です、これまたロマン派って感じ。

いやあ、お腹いっぱいです。なかなかに聴きごたえのあるアルバムでした。

ピアニストのマティアス・キルシュネライト  Matthias Kirschnereitは1962年、ドレスデン生まれ。ディスコグラフィーを見ると20以上のCD録音があり、中でもモーツァルトの録音が多いようです。モーツァルトもそのうち聴いてみます。


Hummel - Weber - Mendelssohn
Matthias Kirschnereit, Michael Sanderling & フランクフルト放送交響楽団


強烈な音楽的個性を放つ優れたドイツ人ピアニストMatthias Kirschnereitはこのアルバムで、ピアノと管弦楽のためのレパートリーの中からあまり演奏の機会に恵まれない3つの作品を選び、それらの知られざる魅力を余すところなく伝えている。1816年に書かれたフンメルの『Piano Concerto No. 2』は、彼の後に続いたショパンに進むべき道を示したというべき、時代の一歩先を行く楽曲だ。演奏には高度な技術が求められるが、Kirschnereitは見事に応えている。ウェーバーが1821年に作曲した『Concert Piece in F Minor, Op. 79』はピアノと管弦楽のための作品の中でも特に古典的なスタイルを持つもの。明快な曲調の中にピアノのスリリングなフレーズがふんだんに盛り込まれているが、ここでもKirschnereitはリスナーの期待を裏切らない。メンデルスゾーンの『Capriccio brillant』はショパンとの出会いの後、1832年に書かれたもので、作曲者がピアノの表現力をどれほど深く理解していたかを明らかにしている。(Apple Music)

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