下北沢に開業したばかりの商業施設「reload」内のGreat Booksで、坂口恭平さんのパステル画個展(会期は2021年6月27日まで)が開かれていましたので見てきました。
Great Booksはスタイリストの熊井隆志さんがプロデュースした、小さなショップ兼ギャラリー空間で、Tシャツや本なども売っているようです。坂口さんのパステル画は20点ほど展示されていました。
坂口さんのパステル画はTwitterでもお馴染みですが、思っていたよりも小さいんです。しかし、絵の密度は非常に濃いし、実の所、非常に大雑把に描いているようでいながらも、きわめてタッチが細かいことに驚きます。
空の色や海の水の色が、とにかくたまりません。坂口さんが現在活動の拠点としている熊本の風景です。南の国の明るさが、光の移ろいが絵に充満しています。
パステル画には、ほとんど売約済みの赤シールが貼られています。そりゃあ、ちょっと無理をすれば買える値段であれば、欲しくなりますよね。(とはいえ、直ぐに買える値段でもないのですけれど)
作品による密度の濃さなどはありますが、どの絵も坂口ワールド全開です。
どこまでも明るい絵でありながら、回顧的風景であり、そして、ふと彼岸を見ているような、そんな気持ちにさせられる絵でもあります。
坂口さんの絵は風景がが多いのですが、下のような身の回りの小物やなどを描いた作品もあります。
この何気ないガラスコップのリアリティ、光の扱いには脱帽です。多少デッサンとか狂ってるんですけど、そんな瑣末なことはどうでもよくて、絵として完成しています。ものの本質をつかむ才能はさすがとしか言いようがありません。
以前も書きましたけど、坂口さんの絵はクスリのようなんですね。どこか病んだ部分に何故か効くんです、いつまでも眺めていたい絵です。
多少名残惜しいのですが、ギャラリーを後にしました。
どうもありがとうございました。
(参考)
- 坂口恭平個展「Fresh Like This」を開催 Great Books
- 坂口恭平さんのパステル画展を観に行く Clala Flala 2020.8.29
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